バレエ星

著:谷ゆき子

1966年から約10年連載され好評を博すものの、

単行本化されず50年。幻の傑作マンガの復刻です。

 

桐島、部活やめるってよ」「何者」の朝井リョウ先生も帯で言っておりますが、

この作品のわかりやすい売りは『怒涛の展開』『超展開』

 

↑第一話の扉絵です。不幸な話の予感しかしない……!

ちなみに左がママ、右の少女が主役のかすみ、眠る幼子がアーちゃん(妹)です。

アーちゃんが!

あっ、ママ!

みなさん、かわいそうなかすみちゃんのために、おいのりを……

 

↑さらにライバルキャラ登場。

いじわるなあざみさんは何度も殺人未遂を繰り返します。

 

こういう命の危機が一度や二度ではなく、本当に毎回毎回やってきて「続く」作品です。

まるで海外ドラマのシーズン最終回が毎回やってくるかのようで、

当時の読者の子どもたちは気が気じゃなかったことでしょう。

 

この『バレエ星』が素晴らしいのは、

無茶な展開の連続を『バレエ』で強烈にまとめ上げている点です。

なにせ、全員バレエのことしか考えていません。喜怒哀楽はすべてバレエから生じ

話そのものもバレエに始まりバレエで終わります。

作画やデッサン、ポージングなども恐ろしくハイクオリティ。

読んでいただければわかりますが、キャラの服が毎回違うのはもちろん

バレエ衣装も細かい部分までキッチリ描かれております。

50年前といったら1960年代、ネットどころかビデオもない時代ですから

このクオリティを毎月実現するのは並大抵のことではなかったことでしょう。

 

帯で朝井先生も言っているように、コマとコマの間から『愛』が伝わってくるのです。

バレエや少女漫画に興味がなくとも、読み進めるうち、『愛』に引きずり込まれてアテられます。

 

来月、谷ゆき子先生の『まりもの星』が同じ立東舎より復刊。買いましょう!