日本漫画界の至宝・手塚治虫の仕事は、
その質だけでなく『量』の多さもハンパではありませんでした。
膨大な作品量。同じ作品でも、単行本化されたら加筆修正、
その作品が違う版で出し直されたらまた加筆修正と、
とにかく描きたくて仕方のない人だったようです。

そんな手塚治虫の、
(たぶん)知られざる仕事を偶然発見しましたのでその報告です。

『現代家庭医学百科』

手塚治虫が医師免許を持っていたのは有名ですが、
この本の刊行は昭和49年。すでに漫画家として名声を得た後のものです。

ビッグネームがこんなにも小さな文字で…しかし

手塚っぽい!

手塚っぽいですね!

昭和49年と言えば、この前年にかの名作
『ブラック・ジャック』の連載が始まっています。

『ブラック・ジャック』が始まる前、
漫画界では手塚治虫の持ち味と全く対照的な『劇画』ブームでした。

逆風の中、ヒット作を生み出せず、編集者たちには『終わった』と言われ、
挙げ句あらゆる資産を突っ込んだ自前のアニメ会社
『虫プロダクション』が倒産。多額の負債を抱えたとのこと。
苦難の時期だったはずです。

借金返済のため、こまごました仕事も受けていたのか……
あるいは人の繋がりで頼まれたのか……
または単に『医学書の挿絵をやってみたかった』
(個人的にはこれが理由な気がします)のか…
今となってはわかりません。

この通り、古本には思ってもみないドラマが眠っています。
ドラマを感じたい皆様、サイブックスで是非本を選んでみてくださいね。