追悼・水木しげる

本日、水木しげる先生が逝去されました。
享年93歳とのことです。今年の五月ごろまでビッグコミックで連載を続けていたと記憶しています。
ビッグコミックと言えば、漫画界で言えば「第一線」であります。
その連載は突然中断されたのですが、「健康面の理由ではない」とのことで安心しておりました。
それが……。

人は皆死ぬものですが、水木御大はファンの中ではすでに「妖怪」という認識でありましたし、
つい先日も、テレビで「弟子」たる荒俣宏と共に出雲へ旅行していたはずです。
公式サイトでピザやすた丼やハンバーガー食べてる写真をアップしたりと、
「死」からほど遠いように見えたものでした。

士官学校でこっそり缶詰食おうにも缶切りが無く、
取りに戻れば先輩にシバかれる……ので指で缶をこじ開けたとか、
戦時、南方で乗船中、見張りを任されたものの、
「敵船がミサイル撃ってくるさまに夢中になって」報告を忘れ、結果撃沈されるとか、
腕を失った後、食べ物欲しさに現地の村民と仲良くなり、
名誉村民扱いとして「お前の畑を用意するからここに住め」とまで言われるも上官に狂人扱いされるとか、
その村の人々と帰国後30年以上も交流が続くとか……。

ただの好々爺では無いのであります。

書くとキリが無いのであと一つだけ、好きなエピソードを書かせていただきます。

戦後、紙芝居業界から貸本業界に入って描きまくるもちっとも金にならず、業界全体が終焉。
この辺はNHKドラマ・「ゲゲゲの女房」でも描写されておりましたが、
なにせ少年ジャンプなどの「漫画雑誌」という存在が生まれる以前の話です。
仕事していた貸本屋が潰れたと聞き、滞納されていた原稿代を回収すべく会社へ行くと
そこにはすでに自分と同じような人々が大勢いた。

水木御大はそこに「貧乏神」を見たそうです。

金の無いところに集まって金を求めたところで金にならないどころか、
自分も貧乏神にヤラれてしまうと思い、帰った……とのことです。

こう言った話は水木御大の自伝に詳しいですが、
御大の作品はこのような示唆に富んだ話や金言に満ちております。
皆さまも是非ご一読ください。

最後に、「墓場鬼太郎」より好きなセリフを引用して終わりにさせていただきます。

「けんかをするな。腹が減るぞ」

ホントこれに尽きます。ご冥福をお祈りいたします。
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