2017.03.08
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雑誌『 ゲーム批評 』の広告欄が面白い
雑誌『ゲーム批評』の広告が面白い
こんにちは、サイブックスです。
みなさんはゲーム批評という雑誌をご存知でしょうか?
ゲーム批評とは、マイクロマガジン社(創刊時はマイクロデザイン出版局)
が1994年から2006年まで発行していた主に家庭用テレビゲームの批評を
中心としたゲーム雑誌のタイトルである。wikipedia
というわけで誌名通りゲームのレビュー誌なんですが、
その特徴は異常なまでのインデペンデント精神!
批評の公平性を担保するために、
ゲーム誌なのにゲームの広告を一切載せない
というこだわりぶりなのです。
そりゃスポンサー様の発売するゲームを
ボロカスにレビューするわけにはいきませんものね。
ゲーム制作会社との癒着を断固として避けるためのストイックな経営方針です。
マスメディアにも見習って欲しいくらいですね!
前置きが長くなりましたが先日まとめて買い取りした
ゲーム批評の広告欄の変遷が面白かったので画像と共にたどってみましょう!
こちらが29号までのゲーム批評の裏表紙です。
普通の雑誌なら全面広告が載ってる裏表紙ですが、
ゲーム批評は一味違いますね!トガってます!媚びません!
ところが30号になると……?
!?
がっちり全面広告になってます!
どうしたゲーム批評!
気になって編集後記を見てみたところ………
さて、10号記念の時はただただ忙しくて編集部としては何もできませんでした。20号記念の時はリバーシブル表紙が目印でした。30号では広告が入りました。では40号記念の時は何が起きるのでしょうか。個人的には40号まで弊誌が続いていることを祈るのみです。(小野)
………
え、そういうノリで!?
サラッと流してますけど、30号記念として広告を?
あんなにこだわってたのに…?
ちょっと苦しい気がしますが………
しかしあくまで、
30号に載った広告はテレビゲームではなくカードゲームだからセーフ!
30号を機に裏表紙には広告が載るようになりました。
ただし、あくまでテレビゲームの広告ではないので!セーフ!
時は流れ39号の裏表紙がこちら
募集、始めました。
あの独立精神旺盛だったゲーム批評はどうなってしまったのか……
しかし、「ゲーム批評ではゲーム以外の広告を募集しております。」
の一文を見ればゲーム批評の魂は決して死んでいないことがわかります。
そしてこの募集の結果か、記念すべき第40号がこちら↓
確かにゲーム全然関係ない!
椎名へきるさんは元気にしてるんでしょうか?
そして続く3号がこちら↓
椎名へきるさん1か月だけでした!
4か月連続リリースの広告なのに……
考えてみれば仕方ないですよね。
ゲーム誌、それもかなりコアなゲーム専門誌にゲーム以外の広告載せてもね!
ゲーム業界以外で広告を出稿してくれる稀有な会社はそうそういなかったようでゲーム批評の苦戦が想像できます。
しかし批評の公平を期するためにゲーム会社の広告を載せることだけはできません。それがゲーム批評のポリシーなのです!
そして続く44号がこちら↓
すんのかい!
どうやら相当広告収入に困っているようです。
しかしここはあくまでゲーム批評。
そのメッセージに耳を傾けてみましょう。
前号で私たちは読者アンケートを実施しました。設問は「ゲーム批評がゲーム関連の広告を入れたら、購読をやめるか?」というものでした。「はい(購読をやめる)」と答えた多くの人は「広告を入れたらゲームの批評ができない」というのがその理由です。
本当にそうでしょうか?いや、それで良いのでしょうか?
ファミコンが誕生して来年で20年になりますが、テレビゲーム市場はいったいどれだけ大きくなったのでしょう。自由な批評の存在しない世界に自律的な体質改善など可能なのでしょうか?
私たちゲーム批評編集部とその88%の読者(たぶん)は、ゲーム批評に広告を出せる「心意気のある」ゲーム会社さんを求めることにしました。でも、編集方針は変えません。儲かっているゲーム会社の社長さん!ゲーム批評に1年間広告して、その勇気ある姿勢を世に示されませんか?御社の商品を決して(無理に)ホメない変わったゲーム専門誌ですけど……。
よかった。ゲーム批評のスタンスはちっともブレていません!
あまりのストイックさに浮世離れ気味です!
果たして、心意気や勇気ある姿勢を示すために広告を出稿してくれる儲かってる社長さんはいるのでしょうか……(しかも1年間契約)
この衝撃的な号に続く巻がこちら↓
やっぱり応募なかったみたいです。
担当部署の電話番号まで掲載していたのに。
スポンサー会社のゲームをボロカスに批評しかねない雑誌
の広告主を買って出る勇気あるゲーム会社はなかったようです。
このヤバめの広告募集が3号続き、編集部もさぞ苦心していたであろう時期に
ゲーム批評の広告欄は急展開を迎えます。
広告きました!
ロバート・キヨサキ氏!
しかもこちらのキャッシュフローゲーム、
販売元がマイクロマガジン社です。
つまりは自社広告。
てっきりロバート・キヨサキ氏が心意気と勇気
を示すために広告枠を買ったのかと思いましたが、そうではなかったようです。
そのあとは廃刊となる69号までキヨサキ氏の
お金持ちになれるゲームの自社広告でおおむね安定した模様です。
めでたしめでたし
以上ゲーム批評の広告欄の変遷でした。
(※当店に入荷したゲーム批評から推測したストーリーです。抜けている号もあったので真偽のほどは保証いたしかねます。)